なぜブラック企業で

4月も残り僅か・・・と言うことは、平成も残り僅かですね。

今月から新社会人となった方や、異動で職場が変わった方も
いらっしゃるのではないでしょうか?
職場の雰囲気がなんとなく掴めたと言う方も居るでしょうし、
研修続きでまだまだ半分は学生気分のまま長期休みに入るという方も居る?

働く環境を選ぶ際に労働環境が選択基準の上位に来たり、
『ブラック企業』を避けるために情報収集してたりしてますが、
ちょっと不思議に思っていたのです。
「どうして『ブラック企業』で働き続けているのだろう?」って

 

「武器になる哲学」から考えてみる

山口 周氏著 武器になる哲学

もしかしたら”洗脳”されてないか?

『認知的不協和』という言葉を聞いた事ある方はいますか?
心理学を学んだ方はご存じだと思いますが、
この言葉が書籍”武器になる哲学”に書かれていまして、
この観点から、ブラック企業で働き続ける社会人、
不平不満を垂れ流しながら働き続ける社会人を考えてみようと思います。

認知的不協和とは

アメリカの心理学者レオン・フェスティンガー氏が提唱した人間心理です。
アメリカの心理学者が発表していますが、
元々実施していたのは中国共産党が、朝鮮戦争の時に
アメリカ軍兵を共産主義へ洗脳する際に使っていた手法を解析したものです。

身体的、心理的に重度な危険を感じさせる拷問などをせず、
また、多額の賄賂などメリットを与える事無く
その人の思想・信条を変えさせる事を可能にした手法なんです。

朝鮮戦争時代に共産党の捕虜になった米兵を、共産主義へ洗脳させ、
本国に帰らせて共産主義を広めさせたり、スパイ活動させたりしたんでしょうね。
米国としてはそんな短時間で洗脳させられるとは思っていなかったでしょうから、中国○千年の歴史恐ろしい・・・となっていたんでしょう。

どうやったのか?

「共産主義にも良いところがある」という簡単なメモを書く作業をさせる。
作業の褒美としてタバコやお菓子などのちょっとしたものを渡す。
-以上-

ポイントは思想、主義に反する軽いストレスになる事をさせる。のと
作業の対価に見合わない報酬を与える事。

ブラック企業じゃないか???

主義、思想、価値感に反する作業(長時間労働・休日出勤・社会的意味が感じられない仕事)を実行させる。
褒美として生活するには困らない給与を与える(最低賃金などは無視・残業代は払わない)

こんな環境に入れられたら『認知的不協和』にさせる条件は揃ってきます。

認知的不協和になるとどうなるの?

先の共産主義になった米兵のように、思想が変わってしまいます。

人は自分の主義・思想と一致した行動を取りますし、
取りたいと思っています。しかし、捕虜になった米兵や、企業人となった社会人のように主義・思想と反した行動を取らざるを得なくなった場合には
行動と思想の不一致が起こってしまいます。

「行動と思想は一致させたい」、「行動は変えられない」
じゃあどうするの?と言うと・・・
主義・思想・価値感を変化させてしまう」のです。

メモを書かされていた米兵は
『自分は共産主義を信じているから、この作業をしている』と
主義をねじ曲げてしまい。

ブラック企業で働いている人は
『自分はこの仕事が好きだから、この仕事にやりがいを感じているからやっている』
と価値感をねじ曲げてしまいます。

認知的不協和で洗脳されないために

まずは、自分の価値基準(仕事や人生の中での優先順位)を書き出しておきましょう。

価値基準と合わない仕事に当たったら、自分の価値基準を確認することと、
社外の人と話をして、お互いの状況を客観的に評価して貰いましょう。

価値基準を書き出しておくのは、認知的不協和により思想の変化に気づくためで、社外の人と話をするのは会社への影響などを考えずに判断・評価してもらうためです。

 

書いていて思ったのですが、
『認知的不協和』をしっかり理解した上で、ブラック企業を作っていたとしたら・・・怖いですね。

山口 周氏著:武器になる哲学

武器になる哲学の内容を、
企業のチームビルディング、社会人の生産性アップにどう活かせるのか?
を不定期で書いていきます。

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