「使う人がいないものを作る」事が退職を考えさせた

最近は動画撮影にはまり気味で、こちらの投稿が減っていてすみません。
動画が波撮影と編集が波にのればブログと平行してできると思うので、もう暫くお待ちください。

さて、動画のテーマで『なぜ読書会をやるのか?』『なぜフューチャーマッピングを使うのか?』
というのを考えていまして、
そこから前職のソフトウェア開発会社を辞めた大きなきっかけはなんだったのか。
というのを考えたところ、今日のタイトルとなりました。

「使う人がいないシステム・ソフトウェアを作らされた」から

始まりは「何を売っているのかわからない」という言葉から

前の会社は企業理念がぼやけているので、従業員にはなぜこれを作っているのか?なんて意識はなかったんですよ。
そして、ある日営業兼ねてる設計がこんな事言ってそのプロジェクトは始まりを告げました。

「この間交流会で会った会社に行って話しをしたんだけど、
『君のところ何を売っているのかわからない』って言われたんだ。
そろそろ自社パッケージ作らないとダメだねー」

因みにですが、
この営業兼設計さんは人の話を聞きません。
自分の話したい事を話すことがコミュニケーションだと信じています。
相手が聞きたい事は何なのか?そんなことを考えた事もないと思います。

だからこれは、
”自分たちの売りを相手の価値観で話す事ができていない”から言われた言葉なんですが、
ひとつの形を作れば良いと受け取ったらしく、自社パッケージ作りとなりました。

日頃「技術力だ!」って言っているのだから
その技術力で相手の会社にどんな価値を与えられるのかを伝えられれば良かったのに。

ターゲットは”中小企業”・・・以上

先ほどの営業権設計のお偉いさんと、取り巻きのイエスマンによって無事にプロジェクトの始動が決まります。
残念な事にシステム構想上、私もアサインされてしまいました。

キックオフのためプロジェクトメンバーが集まり、
ターゲット、システム構想などの共有のため話しを聞きます。
「ターゲットは中小企業の営業」

はい?

もうちょっと具体的に、どんな場面で使うのか?、どんな頻度で使うのか?、その人の何を解決するの?
とか聞いても答えはなく「出来たのを売りに行くから」との事でした。

暗礁に乗り上げた状態からプロジェクトスタートです!

テストで新仕様を設計する

営業兼設計の上司が書いた数枚の画面仕様書を基に、
バックエンド・ミドル・フロントのシステム設計を行ったり、
ライブラリの選定行ってプロトタイプのシステム作りを進めていきました。

途中で「この仕様書で出来る?」と聞かれましたが
「書かれている事と文脈くらいであれば実現しますよ」と答え、プロトタイプ作りは進めます。

一通りの実装が終わり、営業兼設計の上司による確認フェーズに入ったところで事件です。
プロトタイプ動かして、実装不備なんかは不具合なんで直す必要があるのですが、
”不具合”として上がってくるほとんどが新仕様なんですわ。

しかも自分が使いやすいUIはこうだ。とか
これを入れた方がインパクトある。とか

作り手のエゴ丸出しの、ユーザー置き去りがすごい。
あ、元々ユーザー限定していませんでしたね。

まぁそんな理不尽は不具合修正を数週間続けたところで、
プロジェクトリーダーに
「こんな管理も出来ない、仕様もろくに考えも出来ていない人が管理者だと言い続けられては困る。」
「テストで新仕様を出されても、ものによっては根幹からの変更が必要になる」
「この体制のまま続けるのは無理です。」
と軽く(?)ブチギレ。

後日、体制は変わりませんでしたが、
仕様設計をきっちり終わらせたものが出てきて、期限と機能を区切って実装となりました。

その期限以降は別プロジェクトに入れたので、逃げる事が出来ました。

これにやりがい?

最初からユーザーや場面が特定されていなく、
途中での仕様変更はなぜか作り手の目線でした。

はっきり言って売れる相手がいないシステムです。
これを作る事を認めた会社も、疑問を感じないメンバーも変なの!って感じてましたが、
このシステム作りに”やりがい”あるよね。って言われた時に

『この人達とは価値観もスピード感も違う。なによりここにいては潰れるな。」
と感じ、退職を考えるきっかけになりましたね。

 

皆さんは、穴を掘ってその穴を埋める作業に”やりがい”感じますか?
使われるあてもないシステム作って、見た目良くしたり動作改善したり。は私にとってそれと同じでした。

コメント