ネットワーク・コンサルタント杉山です。
前回はインターネットに接続するための最低限の機器、ONUとルーターについてお話しました。
前回の話の中で出たIPアドレスと、似たワードのMACアドレスについてお話します。
ネットワーク上の住所
IPアドレスもMACアドレスもアドレス(Address)とついているとおり、
ネットワーク上の住所を表します。
データの要求先と要求元がどこなのか?を示す情報がこのアドレスです。
住所がなぜ2種類もあるのか?というと
ネットワーク上の機器やアプリによって使っている住所が異なるから。
詳細は省きますが、ある機器はIPアドレスで宛先と要求元を認識し、
ある機器はMACアドレスで宛先と要求元を認識しています。
MACアドレス
Media Access Control アドレス
ネットワークポート、ネットワークアダプタひとつずつに割り当てられている固有の値。
48ビットの値だが、一般的には12桁の16進数「00-AA-FF-XX-XX-XX」で表される。
前半6桁は製造元を表し、後半6桁は各製造元で一意になるように割り振られている。
IPアドレス
Internet Protocol アドレス
同一ネットワーク内では一意で設定されている必要がある値で、
複数の機器に同一のIPアドレスが設定されていると通信が正しく行われなくなる。
IPv4規格と新しいIPv6規格が存在し、
Ipv4にはグローバルIPアドレス、プライベートIPアドレスが規定され、
Ipv6にはグローバルアドレス、ユニークローカルアドレス、リンクローカルアドレスが規定されている。
IPv4は32ビットの値で、
8ビット単位で区切られた10審数と、区切り文字はドット「.」で表される。(例:192.168.X.X)
IPv6は128ビットの値で、
16ビット単位で区切られた16進数と、区切り文字はコロン「:」で表される。(例:2001:DB8:0:0:8:800:200C:417A)
連続した16ビットの値が0の場合、省略して「::」表記が可能。
IPv6のメリット
インターネット上に公開されているサーバーにはIPv4とIPv6への対応が求められています。
IPv6は新しい規格です。v4と比べると優れた点がいくつかあり、
一般利用者であっても知っておいた方が得をするポイントもあります。
表現可能なIPアドレスが膨大
「IPアドレス枯渇問題」と言うワードを聞いたことはありませんか?
世界中でインターネットに接続される端末が増え、
そこに割り当てられるIPアドレスが無くなる。 = 新しくインターネットに接続できる機器がなくなる。
という問題です。
IPv4のアドレスは32ビットで、総数は2の32乗=4,294,967,296。約43億のアドレスがありました。
がこれを全て使い切ったというわけですね。
対してIPv6のアドレスは128ビット、総数は2の128乗≒3.4×10^38と膨大な数になりました。
インターネットに接続される機器がIPv6へ移行すれば、枯渇の心配はなくなり、
IoTなどで多くの端末をインターネットへ接続しても問題がなくなりました。
IPv4よりも高速
IPv4ではISPとの接続にはPPPoE(Point to Point Protocol over Ethernet)と
いう方式が取られていました。
この方式はデータ流量が増えるとデータの出入り口で混雑してしまい、通信速度が低下する問題があります。
IPv6ではIPoE(Internet Protocol over Ethernet)方式が取られており、
PPPoE方式と違い混雑ポイントが作られない(通らない)のに加え、利用者が少ない点があいまって
速度低下が起こりにくくなっています。
ご利用中のISPがIPv6に対応しているのか?
接続方式を今よりも高速化できるのか?
一度確認してみては如何でしょうか?
今回はネットワーク機器に割り振られているMACアドレス、IPアドレスについて
お話させて頂きました。
MACアドレスもIPアドレスも宛先と送信元情報として使われている。と覚えておくと良いでしょう。
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