前職での製品開発開始時のやりとりを思い出したので投稿。
マーケティングを実践している人には当たり前ですが、マーケティングを知らない人、特に技術者は陥りやすい理由です。
技術者主体で作る製品を売りたい場合、そうで無くても製品を売りたい場合は参考にどうぞ。
圧倒的な操作性を実現する
とあるWEBシステムの開発開始時、マネージャーが放った一言がこれ。
他のプロジェクトメンバーは「おぉ~」と納得している。
しかし、この時点でターゲットユーザーは決まっていなかった。
つまり、どんな場面で使うのかも、どの様に操作するのかもわからない。
⇒何が操作性を良いとするのか決まっていない!
この後、ユーザーが具体的になることは無く、プロジェクトは開始されました。
ユーザーが具体的でない弊害 その1
先述のプロジェクトのユーザーは具体的になりませんでした。
ただ1つ決まったのは”中小企業”に売る。以上。
この状態で作り始めると、ある弊害があります。それは必要な機能・不必要な機能の判断ができなくなる。こと。
- WEBシステムを使うのはどこで?社内なのか?外出先なのか?自宅なのか?
- どんな端末で使用するのか?デスクトップPC?ノートPC?タブレット?スマートフォン?専用端末?
- 何で入力するのか?キーボード入力?マウス入力?タッチ入力?
- 年代、性別、性格、などなど・・・
が決まらない状態でスタートしました。
幅広くユーザーを考えるので、あらゆる人に受け入れられるのではないか?
と考えているかもしれませんが、実際は逆!誰にとっても中途半端なシステムになります。
使い勝手を改善しようとすれば、幅広く対応する必要が出てくるので、コストが高い。
そして、他の誰かから指摘を受けた場合に明確な理由が付けられず、受け入れざるを得なくなる。
そうなるとツギハギだらけのシステムの出来上がりとなる。
作り手にとっても、ユーザーにとってもシステムの完成形がわからない状態になってしまいました。
ユーザーが具体的でない弊害 その2
その2は仮にその製品・商品ができあがった(と思い込んだ)ときに出てくる弊害です。
それは、売り方がわからない。
マーケティング担当者であれば「誰でもそれなりに使いやすいと感じるように作った製品」を売って。
と言われたことを想像して貰えばご理解いただけると思います。
幅広い対象に対してメッセージを作ると、影響力が下がります。
では、狭い対象にメッセージを作れば・・・訴求力がそれほど高くない、または信頼度が低い言葉になってしまいます。
これで売り込みを始めると
「何か新しい製品が出たらしい。けど私には関係ないな」
と捉えられるか
「お、これは良い製品のようだ!使ってみよう。・・・・・・騙された!!」
となるかどちらかでしょうね。
ターゲットは1人にする
ペルソナを作る。とか、身近な人をターゲットとして仮定する。
マーケティング、セールスコピー、広告作りでの必須工程だと考えています。
マーケティングで必須なので、製品開発でも必須です。
実在する人でも、仮想の人でも構いませんが、
社内で関わる人が全員同じイメージを共有できる1人のターゲットを作る事です。
製品利用とは関係ないと思うような、背景設定までしておくとイメージ共有がしやすくなりますよ。
このようなマーケティングに関するお手伝いもしていますので、興味があればお問合せください。
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