有線LANと無線LAN

こんにちは。ネットワーク・コンサルタントの杉山です。
パソコンやスマートフォン、ゲーム機などの端末をインターネットへ接続させるための
接続手段としてLANケーブルを差して繋げる有線接続(有線LAN)と、
Wi-Fiで繋げる無線接続(無線LAN)の方式がありますね。

それぞれ幾つかの規格があり、出せる通信速度の上限も変わってきます。

ISPの契約プランを上げても通信速度が思った以上に出ない場合は、
経路のどこかがボトルネックになっている可能性があるので確認のポイントとしてお読みください。

有線LAN

機器についているポートの規格と、ケーブルの規格があります。
ケーブルは極短距離での利用の場合は規格上の数値よりも通信速度が出せますが、
ポートは規格値で頭打ちになるので要注意です。

※こちらで紹介している規格はIEEE802.3xの規格です。

ポート規格

「n BASE m」形式や数値をスラッシュ(/)区切りで書かれています。
n…転送速度(Mビット/秒)
BASE…ベースバンド方式
m…転送距離または転送媒体

規格名通信速度使用ケーブルケーブル規格最大伝達距離策定年
10BASE-T10Mビット/秒UTP/STPCAT 3 以上100m1990年
100BASE-TX100Mビット/秒UTP/STPCAT 5 以上100m1995年
1000BASE-T1Gビット/秒UTP/STPCAT 5E 以上100m1999年
1000BASE-TX1Gビット/秒UTP/STPCAT 6 以上100m2001年
10GBASE-T10Gビット/秒STPCAT 6A 以上100m2006年

-T と -TX はどちらもツイストペアケーブルを使いますが、転送路の使い方に違いがあります。
が、最大速度に違いはありません。

NICなどには2.5GBASE や 5GBASEなどもある。

ケーブル規格

先のポート規格表にも書いてしまいましたが、カテゴリーn と分類される。
表記は「CATn」

規格名最大速度シールド
CAT310Mビット/秒UTP
CAT416Mビット/秒UTP
CAT5100Mビット/秒UTP
CAT5e1Gビット/秒UTP
CAT61Gビット/秒UTP
CAT6A10Gビット/秒UTP
CAT710Gビット/秒STP
CAT840Gビット/秒STP

UTPは(Unshielded Twisted Pair)の略でペアケーブルがシールド処理されていません。
STPは(Shielded Twisted Pair)の略でシールド処理が施されたペアケーブルが入っています。

シールドがある事で外部のノイズ(高電圧線など)からの影響を減らして、通信速度の低下を抑える事ができます。
ただし、適切にアーシングしなければシールド効果が出ないばかりか、かえって通信品質を下げる要因にもなります。
一般家庭や通常のオフィスであればCAT6Aケーブルを選べば用途を満たします。

無線LAN 規格

IEEE802.11で標準化されている規格のみ記載します。
昨今、無線通信=Wi-Fi接続だと思います。
無線通信規格の一部がWi-Fi規格で、その規格がIEEE802.11規格なのです。

こちらも規格によって通信速度の上限があります。
『無線でつないでいる端末だけスピード出ないなぁ』って場合は遅い規格にしか対応していない端末かもしれませんね。

それでは規格表にいきます。

規格名最大速度周波数帯使用チャネル幅策定年
11a54Mビット/秒5GHz20MHz1999年
11b11Mビット/秒2.4GHz22MHz1999年
11g54Mビット/秒2.4GHz20MHz2003年
11n600Mビット/秒2.4GHz
5GHz
20/40MHz2009年
11ac6.93Gビット/秒5GHz80/160MHz2014年
11ax9.6Gビット/秒2.4GHz
5GHz
20/40/80/160MHz2021年

11n、ac、axの使用チャネル幅はチャネルボンディングによって
隣接チャネルを束ねて使用する事ができる。
また、最大速度にはチャネルボンディングが必須。

知らずに遅い規格を使っていませんか?

有線LANでも無線LAN(Wi-Fi)でも様々な規格があります。
繋がっていれば良い!で使っていると遅い通信規格のものを使い続けている可能性があるので
一度確認をしてみては如何でしょうか?

スマートフォンとかゲーム機は仕様を確認する必要がありますが、
機種名は同じでも型番が違うと対応規格が異なる事もあるので面倒でも仕様を確認してみてくださいね。

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