マーケティングや商品企画をしっかりと学んでいる方には信じられないと思いますが、まだマーケティングと商品企画・開発を行うところが多いようです。
今、私が勤めている会社も”感と経験で商品開発”を進めています。
「これでは売れるものは作れない」と訴えているのですが、全く聴く耳を持って貰えません。
マーケティングをせずに商品開発をすることは、「売れないものを作る」ことになります。
なぜ売れない?
売り手の都合で作られた商品・サービスは顧客にとって何も価値がないからです。
売り手の都合で多機能な商品を作って「こんなに機能がありますよ」と言われても、
使うことがない機能に価値なんてありません。
マーケティング
マーケティングとは
企業などの組織が行うあらゆる活動のうち、「顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその価値を効果的に得られるようにする」ための概念である。 また顧客のニーズを解明し、顧客価値を生み出すための経営哲学、戦略、仕組み、プロセスを指す。
ーWikipediaー
誰に、何を、どのようにして提供するか。を決めることになります。
決めるために、情報の収集〜分析などが必要であれば当然行います。
結果はプロジェクトメンバー内で共有する方が商品開発で役に立つでしょう。
誰に提供するか
なるべく具体的にターゲットを決めます。
「営業担当者に」や「製造業に」ではターゲットが広すぎるのでもっと具体的にする必要があります。
当たり前ですが、全ての人にあった商品と言うものはありません。
こういった寓話があります。
ロバを飼っていた父親と息子が、そのロバを売りに行くため、市場へ出かけた。
2人でろばを引いて歩いていると、それを見た人が言う、
「せっかくロバを連れているのに、乗りもせずに歩いているなんてもったいないことだ。」
なるほどと思い、父親は息子をロバに乗せる。しばらく行くと別の人がこれを見て、
「元気な若者が楽をして親を歩かせるなんて、ひどいじゃないか」と言うので、
今度は父親がロバにまたがり、息子が引いて歩いた。また別の者が見て、
「自分だけ楽をして子供を歩かせるとは、悪い親だ。一緒にロバに乗ればいいだろう」と言った。
今度は2人でロバに乗って行く。するとまた別の者が、
「2人も乗るなんて、重くてロバがかわいそうだ。」と言う者がいる。
それではと、父親と息子はロバを2人で担いで歩く。しかし、不自然な姿勢を嫌がったロバが暴れだした。不運にもそこは橋の上であった。暴れたろばは川に落ちて流されてしまった。
誰に提供するか決めずに動き出せば、この話の様に苦労だけして何も残らない事になるでしょう。
何を提供するか
顧客に何を提供するか?
でいきなり商品が出てくるのであれば、飛躍しすぎです。
ここでは顧客のどのような課題を解決するかや、どのような価値を提供するかを決めることになります。
どのように提供するか
顧客にあった価値の提供方法は何かを考えます。
オンラインのサービスとして提供が良いのか?オフラインのソフトウェアが良いのか?アナログでの提供が良いのか?それとも?
マーケティングなしで商品を作る
マーケティングなしで商品を作るということは、顧客を置いてきぼりにして商品を作ることになります。
誰に提供するのか決めずに商品を作れば、様々な人の意見を取り入れてしまい、結果誰にも合わない商品になってしまいます。
何を提供するのかを決めずに商品を作れば、機能重視の商品になり、不要な機能の塊になってしまいます。
誰に何を提供するかを決めずに提供方法を先に決めてしまうと、顧客と提供価値に合わない提供方法になってしまいます。
売れる商品を作るのであれば、マーケティングが近道なのです。
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