マネジメントや社員教育に関心がある企業なんかは、
コーチングを検討していたり、実際に社内でのコーチングを
試してみたりしたのではないでしょうか?
今回は社内コーチングについてお話させてもらいます。
結論から言うと、よほど大きな会社でなければ、
社内コーチングは止めた方がいい。です。
「コーチング」を導入するな。ではなく「社内コーチング」は止めるです。
マネジメント vs コーチング
部門が分かれる、事業部が分かれるような大きな会社でない限り、
社内コーチングを実施するのは上司になると思います。
上司には元々、メンバーのマネジメント業務があり、そこにコーチングが加わる事になります。
同じ立場でこの二つの業務をやると、どちらもうまく進める事ができなくなってしまいます。
◆マネジメントとは?
組織の目標を設定し、経営資源を活用して目標達成を目指す。
「経営」や「管理」
◆コーチングとは?
質問、傾聴、観察を行い、クライアントに自ら選択、行動を促し、成果に繋げる
マネージャーの仕事には部下とのコミュニケーションを取り、
業務を円滑に進めることも含まれるので、その手段としてコーチングを取り入れるところもあります。
マネジメントには、経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を動かして組織の利益に繋げる事が求められますが、
コーチングはクライアントが自ら行動を選択することを促します。
クライアント(部下)によっては組織の利益に繋がらない行動を選択する事もあるでしょうし、
「何も変えない」ということを選択する事もあります。
コーチング実施中に、マネージャーとしての面が出てくると指示が出てしまいます。
部下が選択した行動に対して、否定してしまう事も…
こういった行為はコーチングのコーチとしては望ましくない行為です。
コーチングで成果が出ない。コーチングに対する不信感をつのる原因になります。
マネジメントの場面で、コーチとしての意識が出てくるのも問題です。
マネジメントでは指示と目標を明確に提示することで、
目指すべきゴールを共有することが大切ですが、
個々が描く目標で良しとしてしまい、組織内で誰も同じゴールを目指していないなんてことも。
役割によって意識を完璧に切り替えられるか、
利害関係にない人とのコーチングができないのであれば、
これが社内コーチングは止めた方がいい理由の一つです。
マネージャーの時間
もう一つだけ、社内コーチングを進めない理由を書きます。
それは、マネージャーの時間です。
多くの企業でマネージャーはプレイヤー兼マネージャーである事が少なくありません。
数ヶ月に一度業績評価でも時間が足りないのではないでしょうか?
コーチングは少なくとも月1回、30分~1時間のセッションを定期的に行い、
成果につなげていきます。
メンバー数によりますが、毎月1日~2日分の時間をコーチングに使う事になりますが、
プレイヤー兼マネージャーの方は、扱っている案件の重要度が高かったり、
金額が高かったりと、その時間を使う事に納得できないこともあります。
クライアント(部下)にとってはコーチングセッションの時間は
考えを整理する。問題を分解して考え方を変化させる重要な時間になるのですが、
マネージャーの時間をそれだけ使うことには懐疑的になってしまいます。
以上が「社内コーチング」を進めない理由の内二つです。
- マネジメントとコーチングが混ざると、どちらも進めにくい
- マネージャーの時間が足りない
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