職場での会話の中で、よく耳にする「言った」「言わない」「あった」「なかった」のやりとり。
後になってはどちらが正しいのかは判断つきませんが、その理由はこれです。
人は目の前の事実の情報を自分の中に取り込む際に、フィルターを通して取り込んでいる。
このフィルターを通す時に情報の大部分は削ぎ落とされたり、歪められたり、大きなグループにまとめられたりしている。だから、食い違いが発生するのです。
削除・歪曲・一般化
NLP(神経言語プログラミング)ではこのフィルターで行われることを”削除”、”歪曲”、”一般化”と言われます。
削除
人の意識は一度に扱える情報に限りがあり、事実の情報全てを扱う事が出来ない。
そこで、意識上で扱う情報を選び、その他の情報をそぎ落として意識上に取り込んでいる。これが”削除”と呼ばれる。
何かを見ることに集中すると、周りの音が気にならなくなったり、床や机に当たっている感覚もわからなくなったりします。そして、『見る』ことに集中しているのに、周りの様子は一切目に入っていないこともあります。
歪曲
時に人は、事実を自分の都合の良いように、歪めて捉えることもある。
文章などで『□□は〇〇です。』というものを読んで「○○という事は△△だな。」と自分なりの解釈をして受け取ってしまうこと。
人の言動の一部を見たり、聞いたりして「あの人があの言動をすると言うことは△△ということだ。」といった風に事実かどうかもわからない情報をくっつけてしまいます。
一般化
今までの経験の中で似たような経験があれば、それのグループとして捉えてしまうのです。
- 声が大きい人は人の話を聞かない
- 男の人は細かいところまで気が利かない
「その通り」と思っている人は”一般化”しているということです。
1つ目の例は『声が大きい人』というグループで一般化しています。
2つ目は『男の人』というグループで一般化している例です。どちらも「皆がそうですか?」と聞かれると「いいえ」と答えることがわかると思います。
削除、歪曲、一般化とコミュニケーション
人が事実を捉える時に、この様なフィルターを通して捉えています。そして話す時には、このフィルターを通して得た現実を話しています。
その人が話している事実は多くの情報が”削除”されているかもしれません。
なにか事実にはなかった意味が”歪曲”してつけられているかもしれません。
または、過去の経験に基づく”一般化”された事実かもしれません。
削除、歪曲、一般化された話から、事実の情報はなんだったのかを導かないと、
冒頭のように「言った」「言わない」のやりとりにもなりますし、
その人が話す現実を鵜呑みにしていると、全く違う情報が出てきた時に問題が発生することもあります。
事実を導く為の手法がメタモデルと呼ばれるものです。
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